
大企業からベンチャー企業て転職するのって後悔しかない?
実際に転職した人の話を聞きたい!
こんな疑問にお答えします。

筆者は新卒で大手企業に就職。約10年働いた後、スタートアップのWEBマーケ会社に転職しました。従業員1万人規模と10人規模の両方を経験しています。
実際に大企業からベンチャーへ転職した筆者の経験から言うと、結論
大企業からベンチャーへの転職は大正解でした。

もちろん大企業にいたほうが良かったと思うこともありますが、収入面や時間の確保、仕事でのストレスなどを考えたら自由で風通しのいいベンチャーのほうが筆者には向いていました!
この記事では、大企業とベンチャーの両方を経験した筆者が思うそれぞれのメリット、デメリットをまとめています。
ベンチャー転職を考えている人はぜひ参考にしてみてください。
大企業からベンチャーに転職して良かったこと
筆者が大企業からベンチャーに転職して良かったと思うことは、以下の7点です。
意思決定が早い
ベンチャーの大きな魅力は意思決定が早いこと。
大企業だと意思決定をする人間までの距離が遠く、時間がかかる上に意見が通らないこともしばしば…。
しかしスピード感を大切にしているベンチャーであれば、すぐに意思決定できるし、一個人の意見も通りやすいです。
大きなプロジェクトに直接関与できる
ベンチャー企業は若手もベテランも関係なくチャンスがあることが多いので、大きなプロジェクトにも直接関与しやすいです。
大企業は年功序列のケースが多く、若手にはチャンスが回りにくいこともありますが、実力主義のベンチャー企業であれば早いうちから大きな経験を積むことができます。
達成感が得やすい
ベンチャーは少人数でプロジェクトを進めるので、一人当たりの負担が増えることになります。
責任は大きくなりますが、その分、自分で仕事をやり遂げたという達成感は大きくなります。
専門以外の仕事も経験できる
役割が確立されている大企業と比べ、ベンチャーは少人数でなんでもカバーしなければなりません。
たとえばコンテンツ制作の部隊が営業に行くこともあるし、総務系の人間が経理を兼ねることもあるでしょう。

時には負担に感じることもあるかもしれませんが、専門以外の仕事ができると前向きに捉えられるなら、ベンチャーには合っていると言えます。
経営陣に意見が言える
ベンチャー企業は社長ら経営陣にも意見が言いやすい環境が整っています。
大企業だと経営陣の存在は雲の上過ぎて、そもそも社長の顔や名前も知らないようなケースはよくあります。
社長が社員の名前を知っているなんてことは珍しいでしょう。

しかしベンチャー企業であれば毎日のように顔を合わせるし、会社規模にもよりますが社員全員の名前や役割までばっちり把握していることも。
風通しが良ければ現場の意見もスムーズに届けられるでしょう。
有給が取りやすい
これは会社にもよるので一概には言えませんが、ベンチャー企業のほうが有給や育休などの取得がしやすいケースが多いです。
大企業にせよベンチャー企業にせよ、ワークライフバランスを推進している会社に魅力を感じますよね
副業ができる
これも会社によりますが、ベンチャー企業では副業OKなケースが多いです。
もしかしたら大企業からベンチャーに転職すると一時的に給料が下がるかもしれません。
しかし副業が成立すれば比較的簡単に補えるし、うまくいけば事業化できて一気に収入を増やすこともできます。

ちなみに筆者もベンチャー企業で副業を始め、それが育って独立しました。今では大企業在籍時の1.5倍以上を稼げるようになりました(労働時間は半分以下)。
大企業とベンチャーで決定的に違うこと
大企業とベンチャーで決定的に違うこと。
それは「安定」です。
- 会社の安定
- 収入の安定
- 同僚の安定
- 業務内容の安定
- 精神的安定
良いとか悪いとかは置いといて、大企業とベンチャーでは色んな面で「安定感」が違います。
大企業とベンチャーの違い①:会社の安定
当たり前なんですが、大企業はまず、よっぽどのことがない限り潰れません。
「会社がどうなるか分からない」という不安とは無縁です。
一方ベンチャーだと、「来年どうなってるかわからない」という会社がほとんど。
どんなに業績が好調でも、将来への不安は絶対に頭から離れません。経営者なら尚更です。
大企業とベンチャーの違い②:収入の安定
大企業だと、基本的に一律で給料が上がっていきます。
もちろん歩合制とかボーナス調整とか、会社によってバラバラですが、そんなに跳ね上がることもなければ極端に下がることもありません。
でも、ベンチャーはマジで不安定。
「絶好調だから」とか言っていきなり200万円のボーナスが出たかと思えば、メイン事業がしぼんで突然ボーナスなしになることも。

マジでこの両方を経験しました…。
いい意味で夢がある、悪い意味で無計画なのがベンチャーの収入です。
大企業とベンチャーの違い③:同僚の安定
大企業の場合、新卒の新人がまとまって入社します。いわゆる「同期」ですね。
辛い時、困った時、仕事の愚痴を言いたい時…
いつでも助けてくれる同期の存在は超重要。
加えて、一つの職場に数年いることがほとんどなので、顔ぶれもそんなに頻繁には変わりません。
ジョブローテーションや人事異動で代わるにせよ、同じような仕事をしてきた先輩がいて、同じような仕事を覚えている部下がいる。そんな環境です。
一方ベンチャーは、目まぐるしく人が入れ替わります。
辞令なんてあってないようなもの。規模が小さければ小さいほど、社長の考え一つで毎月のように環境は変わっていきます。

毎月のように新しい人を採用したかと思えば、出ていくのも当たり前。わざわざ歓送迎会なんてない職場も多いです。
歩んできた経歴も考え方もバラバラな人が集まっているので、指導方針にもバラツキが出ることがほとんど。
唯一指針となるのは社長の方針です。
大企業とベンチャーの違い④:業務内容の安定
長いスパンで人材育成をする大企業では、一箇所の職場に最低でも数年、長ければ一生その道を極めていくことになります。
じっくりと腰を据えてスキルを身に着け、出世していく。
異動はあるにせよ、毎年違う仕事をする、なんてことは基本的にはありません。
一方ベンチャーでは、業務内容の変更が頻繁に起こります。
人の出入りも激しいですし、業績によってできる仕事が変わってくるからです。

「この仕事がやりたくて入ったのに、違う仕事をさせられた」なんてことは日常茶飯事だし、それが嫌なら辞めていく。そんな空気が当たり前に流れています。
大企業とベンチャーの違い⑤:精神的安定
会社が潰れる心配はないし、失敗しても怒られるくらいでクビになることもない。
大企業にいると「働くこと」に対する不安は皆無です。嫌な上司や同僚がいても、どうせ数年すれば変わります。
一方で、先の見えた出世コースや日々の業務を考えると、刺激がなくてつまらないと感じることがあるかもしれません。
ベンチャーでは、「いつ潰れてもおかしくない」という不安と常に戦っています。
会社がいつ潰れるかわからないんだから、自分がいつクビになるかわからない。

めちゃくちゃ仲良くしていた同僚が急に辞めるかもしれないし、明日には違う仕事をさせられている可能性もある。精神的な浮き沈みが激しいのもベンチャーの特徴です。
大企業とベンチャーそれぞれのメリット・デメリット

実際両方働いてみて感じますが、大企業にもベンチャー企業にもそれぞれメリット・デメリットは存在します。
大企業とベンチャーそれぞれのメリット、デメリットをザッと整理すると以下の通り。
大企業のメリット
- 優秀な先輩から学べる
- 会社への安心感
- 名刺の強さ
- 世間体がいい
大企業のデメリット
- 競争が厳しい
- 上下関係が煩わしい
- イノベーションが遅い
ベンチャー企業のメリット
- 仕事の成果が分かりやすい
- 提案が通りやすい
- 実践的なスキルが身につく
- 夢がある
ベンチャー企業のデメリット
- 倒産への不安
- 会社への愛着がない
- 人材不足
大企業とベンチャーに分けて見ていきます。
大企業のメリット
まずは大企業のメリットから。
優秀な先輩から学べる
全員が全員、というわけではないですが、大企業に入社する人は優秀な人が多いです。
同期や上司を見渡せば、身近なところにも一人や二人「すげえ!」って思える人がいます。
そういう人から学べることって本当に貴重だし、自分を高めてくれます。
会社への安心感
上にも書きましたが、会社の経営状況を考えなくていいのって、実はかなり恵まれています。
中小企業やベンチャーに務めている人のほとんどが「倒産したらどうしよう」「リストラされたらどうしよう」という恐怖心があるもの。
仕事に集中できる環境は大企業の強みです。
名刺の強さ
大企業だと、名刺のパワーが強いです。
どんなに歳上の相手でも一目置かれるし、取引がスムーズに運ぶようになるのは間違いありません。
「自分の力じゃない」と悩むこともあるかもですが、それはワンランク上の話。
特に外で仕事するなら、会社の名刺で数字が取れる大企業の方が絶対楽です。
世間体が良い
特に男性なら意外と重要なのが「勤務先の名前」。
大企業勤務ってだけでちやほやされるし、会社の名前を言えば相手が褒めてくれるのは正直めちゃくちゃ気持ちいいです。
女子ウケも抜群ですしね。
もちろん自己満足だけじゃなくて、結婚相手の両親の反応とか、ローンの審査とか、私生活でも「企業名」のメリットは享受できます。
大企業のデメリット
もちろん大企業にもデメリットはあります。
競争が厳しい
野心あふれる同僚との競争に勝たないと明るい未来はありません。
「とりあえずの仕事でクビにならなきゃいい」って考えだとしても、今や早期リストラが当たり前の時代。
大企業では、自助努力なしに生き抜いていきません。
一度やらかすと再起不能になるのも大企業の辛いところですね。
上下関係が煩わしい
体育会系のように細かい上下関係がある会社が多いです。
「上司との付き合い」の酒席ほどつまらないものはないですし、それが出世に響くなんて理不尽甚だしいですよね。
イノベーションが遅い
経営層の危機感が薄いから、イノベーションが圧倒的に遅いです。
筆者は転職して始めてそのことに気づきました。

いまだにEXCELとかWord使ってる職場はヤバいですよ。社内のやり取りが電話とかメールってのもめちゃくちゃ遅れてます。
大企業の安定にあぐらをかいてたら、万が一のときに他社では使い物にならないかもしれません。
ベンチャー企業のメリット
安定性に掛けるベンチャーですが、大企業にはないメリットもたくさんあります。
仕事の成果が分かりやすい
自分の仕事が会社や部署の業績に直結するので、成果が目に見えてわかります。
頑張った結果が分かるから、モチベーションを維持しやすい。
大企業にいると、「会社のコマ」のような感覚にしかならないですが、ベンチャーなら仕事のやりがいを得やすいのは事実です。
提案が通りやすい
風通しの良い職場が多いので、アイデアや提案が通りやすいです。
面倒くさい書類や手続き、報告がいらないので、「こんなことやってみてはどうでしょう」と言っただけで即採用されることも。
自分が会社に貢献している実感が湧くので、これもまたやりがいに直結します。
実践的なスキルが身につく
業種にもよりますが、「やってみて覚える」という姿勢が基本なので、実践的なスキルがどんどん身につきます。
大企業にありがちな「まずは研修。次に先輩についていって…」という段取りが不要なので、自分次第ではどんどん成長できるはず。
もちろん、手取り足取り教えてくれる大企業とは違って、自分で勉強する必要はあります。
ITスキルやツールを使いこなす術も学べますね。
夢がある
これが一番でかいかもしれません。ベンチャーには夢があります。
不安定なのは確かですが、いきなり年収が倍になることだってあり得ない話じゃないですし、自分の手掛けた仕事が世の中に革命を起こすかもしれません。
「失敗してもすぐ次に行く」という空気が当たり前なので、ロマンを追求できるのがベンチャーならではの醍醐味です。
ベンチャー企業のデメリット
もちろんベンチャーでは、大企業ならする必要のない苦労を味わうことも。
倒産への不安
「いつ会社が潰れるかわからない」という不安は常につきまといます。
急に給料が払われなくなっても文句は言えないですし、「いつだって転職情報を探している」という人も珍しくありません。
特に家族を養っているなら、絶対に無視できない要素です。
会社への愛着がない
転職するのが当たり前なので、「どうせダメなら違う会社に行けばいい」という空気感がどうしても漂っています。
「愛社精神」みたいなものがないんですね。
これって結構重要で、「みんなで結束してライバル社を負かそう!」みたいな経験が得られないのは、実はすごくもったいと思います。
人材不足
ベンチャーでは常に人材は不足しています。
人手が足りない、という意味ではなく、「必要な人材が足りない」という意味です。
やっぱり優秀な学生の大手志向は変わらないですし、大企業→ベンチャーの転職組もまだ希少。
カリスマ的存在の経営者がいて、その脇を何人かの頭脳が固めて…という体制が多いので、現場の人間からすると「生き字引」的な学びは少ないかもしれません。
【結論】大企業からベンチャーへの転職はアリ
あくまで個人的な意見ですが、大企業からベンチャーへの転職はアリです。
大企業で得た人脈と経験は、ベンチャーのフィールドでこそフルに生かせます。

大企業では当たり前だったことがベンチャーでは整備されていない、ということでギャップにビビる部分もたくさんありますが、それだけ過去の経験が期待されていることの証拠と言えます。
中にいるとなかなか自分じゃ気づかないですが、大企業で学んだことって本当に貴重です。
当たり前のように身についているそのノウハウ、みんな欲しがっています。
「大企業の出世競争に疲れた」とか、「自分の仕事に責任を持ちたい」というマインドを持っている人は、真剣にベンチャーへの転職を考えるべきです。
新卒ベンチャーはあまりおすすめできない
一方で、新卒後いきなりベンチャーに入るのは、個人的にはあまりおすすめできません。
なぜなら、ベンチャーでは教育体制が整っていないからです。

やはり社会人になって最初の5年くらいは、確かな研修体制やジョブローテーションの下、社会人の基礎を学ぶべき。ベンチャーに移るのはその後で良い、というのが筆者の経験則です。
まずは大企業で基礎を固めて、その後にベンチャーに挑戦する、という流れが、先々を見て最も効率的なキャリアプランだと筆者は考えます。
まとめ:大企業からベンチャーへの転職は大きな魅力がある!
大企業もベンチャー企業も、それぞれ違った魅力があります。
- 大企業でしか得られない経験や人脈、スキル
- ベンチャー企業ならではのスピード感、充実感、ロマン
一生懸命考えた末の結論なら、きっとどちらを選んでも正解です。

筆者の経験から言えば、大企業で経験を積んだ後にベンチャーへ転職すれば経験や人脈を生かして一気に成長できます!
たった一度しかない人生。ぜひ後悔のない選択ができますように!