本記事では、懲戒解雇で受け取ることができるお金に関する情報をまとめています。
懲戒解雇されてしまった…。
失業保険は貰えるの?
退職金は?解雇予告手当ってなに??
こんな疑問にお答えします。
☑この記事で分かること
- 懲戒解雇されても貰えるお金
- 懲戒解雇では貰えないお金
- 懲戒解雇された後に必要な手続き
大変お恥ずかしい話ですが、筆者は過去に大きな失態を犯し、前に務めていた会社を懲戒解雇された経験があります。
完全に自業自得なんですが、いざクビと言われると何をしていいのか全くわからず…。
人事や総務から一方的に手続きの説明を受けたんですが、「厚生年金?失業保険??国民年金???」みたいな状態で、大混乱した記憶があります。
あんまり思い出したくないんですが…
懲戒解雇された経験を情報発信する人なんてそうそういないので、当時のメモを元に、【懲戒解雇でも貰えるお金、貰えないお金】を整理してみました。
本文で詳しく解説しますが、結論から言うと、以下の通りです。
- 失業保険
- 解雇予告手当
- 退職金
実際には会社の人事から説明があると思いますが、もしかしたら想像つかないかもなので、「だいたいこんなお金は貰えるんだ」という参考にしてみてください。
懲戒解雇でも失業保険は貰える!
いわゆる「失業保険」は、正式には「雇用保険」と呼ばれるもので、毎月給与から天引きされていた保険料の中から支払われるものです。
「基本手当」と呼ばれたりもします。
元々自分で納めてきたお金なので、退職理由が懲戒解雇であっても、問題なく貰うことができます。
ただし、あくまで「働きたくても働けない人が受給対象です。しばらくのんびり暮らす予定の人や、すぐアルバイトに就いている人は対象外となってしまいます。
失業保険の申請方法
失業保険は、最寄りのハローワークに申請すれば貰えます。
申請に必要なのは以下の通り。
- 離職票
- マイナンバーカード-持っていない場合は①マイナンバー確認書類(マイナンバー通知書など)②身元確認書類(免許証など)
- 印鑑
- 写真2枚(縦3センチ、横2.5センチ)
- 本人名義の預金通帳、キャッシュカード
- 船員であった人は船員保険失業保険証および保険手帳
(参考:東京労働局)
詳しくは「東京労働局」のHPをご覧ください。
失業保険を受けられる条件
ただし失業保険の受給には、いくつかの条件があって、誰でも受け取れるわけではありません。
- 離職の日以前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間があること
- 会社都合の解雇の場合は、離職の日以前1年間に6ヶ月以上の被保険者期間があること
要は、就職してすぐに辞めるような場合は貰えない、ということです。
基本的には1年以上勤務していれば貰えると理解しておけばOKです。
懲戒解雇だと失業保険はいくらもらえる?
実際に受け取れる失業保険の金額は、年齢や勤続年数によって異なります。
失業保険がもらえる日数
65歳以下の場合は、以下のとおり。
◆定年・自己都合退職・懲戒解雇の場合◆
- 10年未満…90日分
- 10年以上20年未満…120日分
- 20年以上…150日分
(参考:東京労働局)
失業保険の金額
給付される金額は、以下の計算で割り出されます。
☑給付金額の算出法
たとえば月収30万円の人なら、30万×6÷180=10,000円。
ただし、以下のとおり上限があります。
年齢 | 基本手当日額の上限額 |
---|---|
30歳未満または65歳以上 | 6,710円 |
30歳以上45歳未満 | 7,455円 |
45歳以上60歳未満 | 8,205円 |
60歳以上65歳未満 | 7,042円 |
なので、月収30万円だと上限額まで、ということになります。
なお、給付額の下限は年令問わず一律で、1,976円です。
懲戒解雇の人は失業保険をいつ受け取れる?
懲戒解雇の場合、失業保険を受け取れるまでにはいわゆる「待機期間」が必要です。
普通の人は、申請7日後から受給対象になりますが、懲戒解雇の場合は+3ヶ月の給付制限が設けられているんです。
簡単に言うとペナルティですよね…。
大事なのは、待機期間は「申請」から7日+3ヶ月ということ。
「申請」しなければいつまで経っても貰えないし、制限期間が減ることもありません。
なので、クビになったらソッコーハローワークに行って、失業保険の申請をするべきです。
ちなみに、受給期間は退職理由に限らず、離職日の翌日から1年間。
離職から1年経ってしまうと貰えなくなるので要注意です。
懲戒解雇でも再就職手当がもらえる!
「失業保険が貰えるなら、給付日数ギリギリまで就職しないほうが得なんじゃないの?」って思うかもしれませんが、そんなことはないです。
もしも失業保険の支給残日数が3分の1以上残っている状態で再就職できた場合、「再就職手当」が貰えます。
※いくつかの条件があります。詳細は東京労働局のホームページをご確認ください。
そもそも失業保険で貰える金額には上限があるわけですし、そんなものに甘えず、一刻も早い再就職を目指したほうが賢明です。
なお、筆者は懲戒解雇から2ヶ月、就活開始から1ヶ月でホワイト企業に再就職することができました。
就活中に試みたことは以下の記事で全てまとめているので、是非参考にしてみてください。
懲戒解雇だと退職金はほぼもらえない
続いては「退職金」についてです。
これは結論から言うと、「会社の従業員規則」で定められているのでケースバーケース。
ただ、懲戒解雇の場合はほぼほぼ貰えないと思っておいて間違いないです。
筆者は大企業に務めていたので、もちろん1円も貰えませんでした。
何年継続して勤務していたかはわかりませんが、残念ながら懲戒解雇だと全てが水の泡です。
もうここは割り切って前に進むしかないです。
退職金の代わりに解雇予告手当がもらえる
これも会社の従業員規則によるので一概には言えませんが、「解雇予告手当」というものが貰えるケースが多いです。
☑解雇予告手当とは?
解雇予告手当とは、従業員に対して解雇日の30日以上前に、解雇予告せずに解雇を行なう場合、支払いが義務付けられている手当のことです。労基法第20条では、企業(使用者)が労働者を解雇するには、正当な理由があっても、少なくとも30日以上前から解雇予告をしなければならないと定められています。
もし解雇予告を行わずに解雇を行う場合は、解雇までの残日数に応じた金額、つまり解雇予告手当を支給します。
(引用:enジャパン)
厳密に言うと、懲戒解雇の場合は、会社側は「労働基準監督署除外認定の制度」を利用することで、解雇予告手当を支払う必要がなくなるようですが、手切れ金的な意味合いで貰えることが多いようです。
微々たるものでしたが、退職金だと思って素直に受け取りました。
懲戒解雇でも有給は使える?
有給に関しても会社の従業員規則によるのでまちまちです。
ただ、筆者の場合は会社の処分が下るまでの約1ヶ月間は自宅待機となっていたものの、その間を有給扱いとして1ヶ月分の給料をいただくことができました。
懲戒解雇は会社としても簡単に下せる処分ではないため、通常決定までに時間がかかります。その間を有給扱いとしてもらえるなら、可能な限りお願いしてみたほうがいいです。
懲戒解雇されたら必要になる公的手続き
ここからは、懲戒解雇された直後に必要となる手続きについてです。
基本的には会社の人事部が説明してくれるはずですが、漏れがないかの確認に使ってみてください。
☑必要な手続き
- 健康保険の切り替え
- 住民税の納付
- 厚生年金の切り替え
- 確定拠出年金の切り替え
健康保険の切り替え
今使っている健康保険を切り替えるかどうかの判断が必要です。
選択肢は以下の二つ。
- 任意継続で同じ保険証を使う
- 国民健康保険に切り替える
保険料は事業所によって異なるのでまちまちです。
筆者は面倒だったのと、福利厚生が使えたので、任意継続で同じ保険証を使いました。
国民健康保険に切り替える場合は、役所に行って申請します。
ただ、当然と言えば当然ですが、どちらの場合でも翌月からは早速保険料の支払いを求められます。
これまでは会社の給与から天引だったので考えたこともなかったですが、結構痛い出費に…。
ちなみに、毎月支払いより年間一括で納付したほうが割安です。
☑手続きする場所
住民税の納付
住民税も自分で納めなきゃいけません。
この辺の手続きは、役所に行けば説明してくれます。
☑手続きする場所
厚生年金の切替
これまで会社の給与から天引だった厚生年金も、国民年金に切り替えなきゃいけません。
扶養家族がいる場合は、家族も切り替える必要があるので注意。
年金手帳が必要になります。
これも役所で詳しく教えてくれます。
☑手続きする場所
確定拠出年金の切替
これはやってる人だけになりますが、確定拠出年金(IDECO)も企業型から個人型に切り替える必要があります。
怠ると、積み立てていた口座から毎月手数料だけ取られていってしまうので要注意。
切り替え作業はネットで完結するので、手続き等は不要です。
☑手続きする場所
まとめ:懲戒解雇されても失業保険は受け取ろう
というわけで、まとめです。
懲戒解雇された場合、以下の手当を受け取ることが出来ます。
☑懲戒解雇でも受け取れるお金
- 失業保険(3ヶ月間の待機期間あり)
- 再就職手当(早く再就職が決まった場合)
また、従業員規則によって定められている以下のお金も貰える場合があります。
☑会社によって受け取れる可能性のあるお金
- 解雇予告手当
- 有給
一方で、懲戒解雇の場合はほぼ退職金は貰えません。
残念ですが割り切りましょう。
それと、保険や年金の切り替えが必要になります。
- 健康保険(任意継続か国民健康保険か)
- 厚生年金
ここは役所でも手厚くサポートしてくれます。
いざ懲戒解雇と言われるとめちゃくちゃ焦りますし、人生に絶望しますが、こっちにだって貰う権利はあります。
なので、貰えるべきものが支払われていないようなら、真正面から抗議してOKです。
その上で、最短で再就職を目指すのが理想的。
筆者の(お恥ずかしい)経験から言うと、懲戒解雇からの再就職で一番大事なのは時間との戦いです。
離職期間が長ければ長いほど不利になるので、早速今日から動き出すことをおすすめします。
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