本記事では、懲戒解雇された方向けの履歴書の書き方を解説しています。
・懲戒解雇されたことって、履歴書に本当のことを書かないとダメなの?
・退職理由は「一身上の都合」?懲戒解雇は「自己都合」にならない?
・正直に書いたら書類選考で落ちそうだけど、経歴詐称でまたクビになるのはゴメンだし…
こんな悩みにお答えします。
大変お恥ずかしいですが、筆者は前職でやらかして懲戒解雇になった経験があります。
それでも自力で就活を頑張って、クビから2ヶ月でホワイト企業に再就職することができました。現在は、懲戒解雇など経歴に不安がある人向けのキャリア支援を行っています。
懲戒解雇を経験すると、就職活動で困るのが「履歴書の書き方」ですよね。
正直に書くと書類選考がほぼ通らないし、かといってウソの理由を書くのもどうなのか…。
筆者も履歴書の書き方でかなり困惑した経験があります。
それでもいくつかのパターンを試した上で、懲戒解雇でも無事に正社員就職することができました。
過去の経験を踏まえ、懲戒解雇でも採用された履歴書の書き方のポイントをお伝えすると、次のとおりです。
- 履歴書には「懲戒解雇」と書かない方がいい
- 懲戒解雇の事実を正直に書くとほぼ確実に不採用。面接にすらたどり着けない
- 退職理由は「一身上の都合」と書くと経歴詐称になる可能性あり⇒【結論】懲戒解雇の場合は履歴書に「退職」の二文字だけを書く!
上記のとおり、「懲戒解雇」の事実は履歴書に書く必要がありません。経歴の項目には「〇〇株式会社を退職」の二文字だけ書けばOKです。
記事内では懲戒解雇された場合の履歴書について、詳しく解説しています。
実際に筆者が採用された履歴書フォーマットや書類選考に100%通過できる方法も公開しているので、ぜひ参考にしてみてください。
懲戒解雇は履歴書に書かなくてOK?
懲戒解雇された事実は履歴書に書かなくてOKです。
筆者は国家資格キャリアコンサルタントの資格取得を目前としていて(2024年3月受験)、履歴書の書き方についても専門知識がありますが、「懲戒解雇」と書かなくても何ら問題はありません。
むしろ履歴書に「懲戒解雇」と書くと、ほぼ100%書類選考で落ちるためやめたほうがいいです。
嘘の退職理由を書くのはNG
もちろんウソの退職理由を書くのは経歴詐称になるため絶対にNGです。
懲戒解雇であるのに「会社都合」としたり、「一身上の都合」と書いたりするのはやめましょう。
☑経歴詐称になり得る退職理由の書き方
※懲戒解雇の場合、多くの会社では「自己都合」として処理されます。
これはもちろん面接の際も同じです。
退職理由を聞かれたときにウソを言うと、経歴詐称につながる可能性が高いです。
懲戒解雇は「自分から公にする必要はないけれど、聞かれたことには素直に答える」と認識しておきましょう。
「一身上の都合」と書くのはNG
したがって、「一身上の都合により退職」「自己都合により退職」と書くのはNGです。
会社都合による退職の場合は「一身上の都合」が使えません。会社の倒産や解雇された場合、事業所の移転で通勤が困難になったことや一定基準を超える長時間の時間外労働、ハラスメントを理由とする退職などは「会社都合」に該当します。(引用:マイナビ転職)
「一身上の都合」と書けるのは、転職や起業、介護、結婚、出産、配偶者の転勤など、業務とは関係なく個人的な事情によって退職する場合です。
懲戒解雇は多くの場合、自己都合退職として処理されますが、履歴書に「一身上の都合」と書くと経歴詐称と捉えられてしまう可能性があるため要注意です。
履歴書には「退職」の二文字でOK
では履歴書の退職理由はどう書けばいいかと言うと、「退職」の二文字だけでOKです。
☑懲戒解雇でも採用される履歴書の書き方
上記のように、シンプルに「退職」とだけ書くようにすれば、ウソにはならずネガティブな情報を与えることなく退職理由を記載することができます。
繰り返しますが、「履歴書にウソを書く」のと「余計なことを書かない」のとでは大違いです。書かない分には経歴詐称に該当しないので、「履歴書は面接に進むまでの第一ステップ」だと割り切って当たり障りないことだけ書くようにしましょう。
懲戒解雇は「賞罰欄」のない履歴書を選ぼう
会社側から指定された履歴書がない限り、履歴書は自由に選べます。
もしも刑事事件等が理由で懲戒解雇になった場合は、「賞罰欄のない履歴書を選ぶ」ようにしましょう。
履歴書の「賞罰欄」とは?
履歴書の「賞罰欄」とは、主に表彰された経歴や刑事罰を受けた場合に記すものです。
賞罰の「賞」は受賞歴や表彰歴を、「罰」は犯罪歴を指します。
(画像引用:JobQ)
上記のような「賞罰」という記載欄がある場合は、年月とともに正直に書かなければなりません。
社が指定する履歴書に賞罰欄がある場合や、申告を求められた場合は必ず伝えます。賞罰について正しく申告していなければ、会社によっては「経歴詐称」や「申告義務違反」ととらえ、内定取り消しや解雇になる可能性もあるため注意が必要です。出典:マイナビ転職
ちなみに、「罰」にあたる明確な基準はありませんが、一般的には「刑事罰」を受けたことがある場合に記載するものとされています。
「罰」も「賞」と同様明確な決まりはありませんが、基本的には『刑事罰』を書く項目だとされています。刑事罰とは、刑法犯を犯して“有罪判決を受けて科された罰”のことです。懲役、禁固刑、罰金刑などが含まれます。一方、スピード違反や駐車違反、一次不停止といった「軽い交通違反」は、『行政罰』とされているので、賞罰欄に書く必要はありません。行政罰とは、行政法のうえでの義務を履行しなかった場合に科される罰のことです。ただし、いわゆる「赤切符」を切られるような重大な交通違反は、刑事罰になりますので、こちらは履歴書に書く必要があります。出典:エン転職
交通違反などは「行政罰」となるため、記載する必要はありません。
また不起訴になっているものや執行猶予が明けたもの、裁判中で刑事罰が確定していないもの、少年事件についても、「罰」には該当しないため記載する必要はありません。
- 懲役刑
- 禁固刑
- 罰金刑
- 不起訴になった事件
- 執行猶予が終了した事件
- 裁判中の事件
- 少年犯罪歴
- 「青切符」を切られるような交通事故・交通違反
- 懲戒解雇(刑事罰ではないもの)
- 効力が消滅した前科・前歴
もしも会社から「賞罰」を聞かれた場合は、上記を参考に回答しましょう。
「懲戒解雇」の理由が刑事事件だという方は、以下の記事も参考にしてみてください。
リクナビの履歴書がおすすめ
賞罰欄のない履歴書はコンビニなどでも手に入りますが、無料でダウンロードできるリクナビNEXTの履歴書がおすすめです。
以下のようにリクナビの履歴書には、賞罰欄がありません。
(画像引用:リクナビNEXT)
「懲戒解雇」と履歴書に書いたらどうなる?
「懲戒解雇から再就職できた体験談」でもまとめていますが、筆者は就職活動をしていたとき、履歴書に「懲戒解雇」と明記して臨んだことがあります。
とある転職エージェントの方に、「懲戒解雇の事実を知ってもらった上で会ってくれる企業を狙ったほうが良い」とのアドバイスをもらったからです。
結果、見事に全部落ちました。
それまで「退職」とにごして書いていたときは全て書類通過していたのに、「懲戒解雇」と書くようにした途端、面白いくらいに全落ちました。
一度経歴に「バツ」がついた人間は、過去をしっかりと反省した姿と働く意欲をアピールすることが大前提です。
しかし履歴書に事実を書くと、アピールするチャンスすら貰えず、就職活動が1ミリも前に進みませんでした。
まずは会ってもらえないことには話にならないので、「懲戒解雇は履歴書には絶対に書かないほうがいい」、という結論に至ったんです。
懲戒解雇を打ち明けるタイミング
ただし繰り返しますが、懲戒解雇の事実はどこかのタイミングできちんと打ち明けるべきです。
個人的には、面接の冒頭で伝えるのがスムーズだと感じました。
面接の序盤で伝えよう
もちろん懲戒解雇の事実を伝えると、採用の難易度はグッと上がってしまいます。それでも、大切なのは「目先の内定」ではなく、生涯安心して働けるキャリアだと筆者は考えています。
仮にウソをついて入社できても、「いつバレてしまうのだろうか」と怯えて過ごすは健全ではないと考えるからです。
懲戒解雇になった背景をウソ偽りなく正直に話せば、大抵の面接官は真摯に受け止めてくれました。
やはり事実を知ってもらった上で働けると精神的にかなり安心できるので、筆者は相談者の方にも「事実はなるべく打ち明けよう」とアドバイスしています。
詳しくは懲戒解雇の面接で解説しているので、参考にしてみてください。
懲戒解雇は転職サイトのプロフィールにも書かない方がいい
少し補足になりますが、懲戒解雇の事実は転職サイトや転職エージェントの「プロフィール」にも書かないほうがいいです。
との転職サービスも、登録者の経歴を記載する必要があります。
このプロフィールを元に、企業から「スカウト」や「オファー」が届くので、なるべく詳細に書いたほうがいいのは言うまでもありません。
ですが、マイナスなことに関してもなるべく書かない方がいいです。
マイナスなことを書いただけで、スカウトが来なくなるだけでなく、強制退会させられてしまうリスクがあるからです。
ちなみに筆者は「ビズリーチ」を強制退会させられた経験があります。
転職エージェントも同様で、経歴に「懲戒解雇」と書くとほぼ100%嫌われ、求人紹介どころか面談すら組ませてもらえない可能性が高いです。
転職エージェントには初回面談のタイミングで伝えよう
転職サイトや転職エージェントの登録情報には懲戒解雇と書かない方がいいですが、転職エージェント本人には正直に伝えるべきです。
転職エージェントは二人三脚で転職を有利に進めてくれる存在です。「内定」というゴールが同じなため、どんな事情があっても味方でいてくれます。
転職エージェントを利用する場合も、履歴書と同様、サイトプロフィールには書かず、面談の場で正直に打ち明けるのがベスト。
転職エージェントの反応はまちまちですが、親身になって相談に乗ってくれるエージェントとも必ず出会えるはずです。
懲戒解雇を書かなくても書類選考に落ちた場合の対処法
そもそも懲戒解雇と書こうが書かなかろうが書類選考が通らない…
このように書類選考が通らず苦労している方は、書類選考が不要な求人を検討してみるといいです。
もう少し詳しく言うと、書類選考に100%パスできる転職エージェントがあるので、そこに相談してみることをおすすめします。
どんな経歴だろうと、中卒だろうと離職期間が長かろうと、100%OKです。
筆者はここで人生を変えるアドバイスをもらいました。
まずは人柄を見てもらわないと話にならないので、書類選考で落ちてばかりでにっちもさっちもいかない方は、ぜひ就職Shopに相談してみてください。
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まとめ:懲戒解雇は履歴書に書かない方が吉!面接で勝負しよう
☑この記事のまとめ
- 履歴書はリクナビNEXTで無料ダウンロードする
- 退職理由ははっきり書かず「退職」の二文字でOK
- 就職Shopを利用すれば履歴書不要・面接から勝負できる
筆者のお恥ずかしい経験を教訓とするならば、
「懲戒解雇は履歴書には書かず面接で勝負しよう!」
というのが結論です。
筆者もかなり苦労はしましたが、試行錯誤した結果、1ヶ月でホワイト企業に再就職することができました。今は絶望しているかもしれませんが、必ず道は開けます。どうか諦めずに前を向いて頑張ってください。
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▼懲戒解雇からホワイト企業に再就職した筆者が就職に成功するまでにやった全てのことは以下の記事でまとめています。