本記事では、懲戒解雇の履歴書の書き方を解説しています。
・懲戒解雇されたことって、履歴書に本当のことを書かないとダメなの?
・退職理由は「一身上の都合」?懲戒解雇は「自己都合」にならない?
・正直に書いたら書類選考で落ちそうだけど、経歴詐称でまたクビになるのはゴメンだし…
こんな悩みにお答えします。
大変お恥ずかしいですが、筆者は前職でやらかして懲戒解雇になった経験があります。
それでも自力で就活を頑張って、クビから2ヶ月でホワイト企業に再就職することができました。現在は、懲戒解雇など経歴に不安がある人向けのキャリア支援を行っています。
懲戒解雇を経験すると、就職活動で困るのが「履歴書の書き方」ですよね。
正直に書くと書類選考がほぼ通らないし、かといってウソの理由を書くのもどうなのか…。
筆者も履歴書の書き方でかなり困惑した経験があります。
それでもいくつかのパターンを試した上で、懲戒解雇でも無事に正社員就職することができました。
過去の経験を踏まえ、懲戒解雇でも採用された履歴書の書き方のポイントをお伝えすると、次のとおりです。
- 履歴書には「懲戒解雇」と書かない方がいい
- 「懲戒解雇」と正直に書く必要はない
- むしろ懲戒解雇と正直に書くとほぼ確実に不採用。面接にすらたどり着けない
- ただし「一身上の都合」と書くと経歴詐称になる可能性あり
- 【結論】懲戒解雇の場合は履歴書に「退職」の二文字だけを書く!
上記のとおり、「懲戒解雇」の事実は履歴書に書く必要がありません。
経歴の項目には「〇〇株式会社を退職」の二文字だけ書けばOKです。
記事内では懲戒解雇された場合の履歴書について、詳しく解説しています。
実際に筆者が採用された履歴書フォーマットや書類選考に100%通過できる方法も公開しているので、ぜひ参考にしてみてください。
懲戒解雇の履歴書の書き方
懲戒解雇された人の場合の履歴書の書き方について解説します。
冒頭でもお伝えした通り、履歴書には懲戒解雇と書く必要はありません。
退職証明書と同様に、退職理由を書かなければならない決まりはないからです。
履歴書には、退職証明書と同様に懲戒解雇された事実を記載する義務はありません。そのため、履歴書の職歴欄には「退職」とのみ記載すれば大丈夫です。また、履歴書の賞罰欄は、有罪判決が確定した刑事罰を書くので、懲戒解雇は記載の必要はありません。
出典:ハタラクティブ
懲戒解雇でも「退職」の二文字だけでOK
したがって、退職理由についての詳細を記載する必要はなく、「退職」の二文字だけを書けばOKです。
☑懲戒解雇でも採用される履歴書の書き方
むしろ履歴書に「懲戒解雇」と書くと、ほぼ100%書類選考で落ちてしまいます。実際、筆者が再就職活動をしていたときは、「退職」の二文字だけを書いたときは全て書類選考に通過していましたが、「懲戒解雇」と書いたら全て落とされてしまいました。
「一身上の都合」と書くのはダメ
ただし、一般的な退職のように「一身上の都合により退職」と書くことはできません。
「一身上の都合」と書けるのは、転職や起業、介護、結婚、出産、配偶者の転勤など、業務とは関係なく個人的な事情によって退職する場合です。
懲戒解雇は多くの場合、自己都合退職として処理されますが、履歴書に「一身上の都合」と書くと経歴詐称と捉えられてしまう可能性があるため要注意です。
会社都合による退職の場合は「一身上の都合」が使えません。会社の倒産や解雇された場合、事業所の移転で通勤が困難になったことや一定基準を超える長時間の時間外労働、ハラスメントを理由とする退職などは「会社都合」に該当します。(引用:マイナビ転職)
退職理由を聞かれた場合は隠せない
繰り返しますが、履歴書には「懲戒解雇」と書く必要はありません。
しかし面接の場で退職理由を聞かれた場合は隠すことはできません。正直に答えないと経歴詐称になってしまいます。
懲戒解雇は「自分から公にする必要はないけれど、聞かれたことには素直に答える」と認識しておきましょう。
履歴書の「賞罰欄」には懲戒解雇と書く?
履歴書には「賞罰欄」がある場合があります。
懲戒解雇された事実を賞罰欄に書くべきか迷うところですが、結論から言うと懲戒解雇だけでは賞罰欄に書く必要はありません。
ただし、刑事罰を受けた場合は賞罰欄に書く必要があります。
刑事罰を受けているなら書く必要あり
履歴書の「賞罰欄」とは、主に表彰された経歴や刑事罰を受けた場合に記すものです。
賞罰の「賞」は受賞歴や表彰歴を、「罰」は犯罪歴を指します。
(画像引用:JobQ)
上記のような「賞罰」という記載欄がある場合は、年月とともに正直に書かなければなりません。
社が指定する履歴書に賞罰欄がある場合や、申告を求められた場合は必ず伝えます。賞罰について正しく申告していなければ、会社によっては「経歴詐称」や「申告義務違反」ととらえ、内定取り消しや解雇になる可能性もあるため注意が必要です。出典:マイナビ転職
「罰」にあたる明確な基準はありませんが、一般的には「刑事罰」を受けたことがある場合に記載するものとされています。
「罰」も「賞」と同様明確な決まりはありませんが、基本的には『刑事罰』を書く項目だとされています。刑事罰とは、刑法犯を犯して“有罪判決を受けて科された罰”のことです。懲役、禁固刑、罰金刑などが含まれます。一方、スピード違反や駐車違反、一次不停止といった「軽い交通違反」は、『行政罰』とされているので、賞罰欄に書く必要はありません。行政罰とは、行政法のうえでの義務を履行しなかった場合に科される罰のことです。ただし、いわゆる「赤切符」を切られるような重大な交通違反は、刑事罰になりますので、こちらは履歴書に書く必要があります。出典:エン転職
- 懲役刑
- 禁固刑
- 罰金刑
- 不起訴になった事件
- 執行猶予が終了した事件
- 裁判中の事件
- 少年犯罪歴
- 「青切符」を切られるような交通事故・交通違反
- 懲戒解雇(刑事罰ではないもの)
- 効力が消滅した前科・前歴
もしも「賞罰」に該当する行為が理由で懲戒解雇になった場合は、正直に記載する必要があります。
参考:「前科や逮捕歴がある人の履歴書の書き方」
ただし会社側から指定がない限りは、履歴書は自由に選べます。もしも刑事事件等が理由で懲戒解雇になった場合は、「賞罰欄のない履歴書を選ぶ」ようにしましょう。
リクナビの履歴書がおすすめ
賞罰欄のない履歴書はコンビニなどでも手に入りますが、無料でダウンロードできるリクナビNEXTの履歴書がおすすめです。
以下のようにリクナビの履歴書には、賞罰欄がありません。
(画像引用:リクナビNEXT)
「懲戒解雇」と履歴書に書いたら全社落ちた
「懲戒解雇から再就職できた体験談」でもまとめていますが、筆者は就職活動をしていたとき、履歴書に「懲戒解雇」と明記して臨んだことがあります。
とある転職エージェントの方に、「懲戒解雇の事実を知ってもらった上で会ってくれる企業を狙ったほうが良い」とのアドバイスをもらったからです。
結果、見事に全部落ちました。
それまで「退職」とにごして書いていたときは全て書類通過していたのに、「懲戒解雇」と書くようにした途端、面白いくらいに全落ちました。
ネットで調べると、弁護士サイトなどでは「懲戒解雇と正直に書いた方がいい」としていますが、これは形式上や建前での話です。
経験上、懲戒解雇と書くと、どんなに立派な経歴だったとしても、ほぼ確実に書類選考で落とされます。
アピールするチャンスすら貰えず、いつまで経っても再就職できなくなってしまいます。
現実を見るのであれば、先で述べたように履歴書には「懲戒解雇」と書かず、面接で正直に打ち明けて突破を目指すことをおすすめします。
【懲戒解雇】転職サイトのプロフィールの書き方
少し補足になりますが、懲戒解雇の事実は転職サイトや転職エージェントの「プロフィール」にも書かないほうがいいです。
なぜなら、懲戒解雇と書くだけで企業からは嫌われ、最悪の場合強制退会させられてしまう可能性もあるからです。
実際、筆者は「ビズリーチ」を使っていて、懲戒解雇と書いた瞬間利用停止にされてしまった経験があります。
転職サイトや転職エージェントのプロフィールは、企業側が「スカウト」や「オファー」を打つのに参考にしています。
もしも懲戒解雇と書くと、企業からのスカウトが来なくなる上、サイト側からサポートができないと判断されて利用できなくなるリスクがあります。
転職エージェントも同様で、登録段階でのプロフィールに「懲戒解雇」と書くとまず間違いなく嫌われます。
求人紹介どころか面談すら組ませてもらえない可能性が高いです。
したがって、転職サイトや転職エージェントにも履歴書と同様に「退職」の二文字だけを書くようにしましょう。
転職サイトや転職エージェントの登録情報には懲戒解雇と書かない方がいいですが、転職エージェント本人には正直に伝えるべきです。
ただし、転職エージェントは二人三脚で転職を有利に進めてくれる存在です。どんな事情があっても味方でいてくれるので、懲戒解雇の事実は面談で正直に相談するといいですよ。
転職エージェントも人間なので、正直に言って反応はまちまちです。
それでも必ず親身になって相談に乗ってくれるエージェントとも出会えるので、面談の場では包み隠さず事情を明かすようにしましょう。
まとめ:懲戒解雇は履歴書に書かない方がいい!面接で勝負しよう
☑この記事のまとめ
- 懲戒解雇は履歴書に書かない方がいい
- 退職理由は「退職」の二文字だけでOK
- ただし面接で聞かれた場合は正直に答えよう
筆者のお恥ずかしい経験を教訓とするならば、
「懲戒解雇は履歴書には書かず面接で勝負しよう!」
というのが結論です。
筆者もかなり苦労はしましたが、試行錯誤した結果、1ヶ月でホワイト企業に再就職することができました。今は絶望しているかもしれませんが、必ず道は開けます。どうか諦めずに前を向いて頑張ってください。