本記事では、懲戒解雇の理由に多い失態をランキング形式でまとめています。

- 懲戒解雇にされる理由ってどんなものが多いの?
- どんなケースで懲戒解雇されてしまうんだろうか。
こんな疑問にお答えします。

大変お恥ずかしい話ですが、筆者は過去にやらかして勤めていた会社を懲戒解雇された経験があります。現在では無事に平均年収を大きく超える待遇でホワイト企業に再就職し、不自由なく生活しています。
いざ自分が懲戒解雇されてみると、他にも同じような境遇にいる人がいないか気になりませんか?
- 自分と同じ理由で懲戒解雇になった人はどれくらいいるんだろうか?
- そもそも自分が懲戒解雇されたのは正当な理由なの?
周りと比べても仕方ないんですが、なかなか現実が受け入れられず、こんなことばかりネットで探してしまった記憶があります。
そこで本記事では、実際に懲戒解雇に多い理由をランキング形式でまとめてみました。
具体的には、以下の通りです。
☑懲戒解雇に多い理由ランキング
2位 会社の金を横領
3位 重大な経歴詐称
4位 悪質なセクハラ、パワハラ
5位 長期にわたる無断欠勤
6位 業務命令違反
7位 会社の機密漏洩
8位 会社の誹謗中傷
9位 取引先との不倫
10位 禁止された副業発覚
最終的にはそれぞれの会社の規約によって処分の線引きは違うので、あくまで参考程度です。
「こんな理由でクビになる人が多いんだ」という軽い気持ちでごらんください。
▼筆者が再就職活動のときに利用して、めちゃくちゃ役に立ったサービスはコチラでまとめています。
懲戒解雇の理由になりうる法的根拠
懲戒解雇は言わずもがなですが、会社員への処分で最も重いものです。
なので当然、会社としてもちょっとやそっとの理由で懲戒解雇にすることはできません。
懲戒解雇にするには、労働基準法20条で定められた「労働者の責に帰すべき自由」に該当する必要があります。
<労働者の責に帰すべき事由>
・窃盗、横領、傷害などで逮捕され有罪が確定した場合
・セクハラ・パワハラが刑法犯に該当する場合、及び会社の指導および懲戒処分を受けても改まらない場合
・2週間以上正当な理由なく無断欠勤した場合(出典:enジャパン)
つまり、相当やばい理由じゃないと懲戒解雇にはならないってことです。

書いてて懲戒解雇になった自分が恥ずかしくなってきました…。
それでも、特に以下の理由で懲戒解雇になるケースが多いようです。
懲戒解雇の理由ランキングベスト10
実際によくある懲戒解雇の理由は以下のとおり。
☑懲戒解雇に多い理由ランキング
2位 会社の金を横領
3位 重大な経歴詐称
4位 悪質なセクハラ、パワハラ
5位 長期にわたる無断欠勤
6位 業務命令違反
7位 会社の機密漏洩
8位 会社の誹謗中傷
9位 取引先との不倫
10位 禁止された副業発覚
以下、具体的に見ていきます。
1位:刑事事件で有罪
これは特に説明はいらないと思いますが、刑事事件で有罪になったケースでは言い訳ができません。
ほぼ確実に懲戒解雇です。
実際に裁判を待たずとも、本人が罪を認めていたり、起訴されたりした段階で懲戒処分を下すケースも少なくありません。
ただここで重要なのが、あくまで有罪の(事実上の)確定が必要だということ。
逮捕されただけ、とか、無罪を争っているようなケースでは、会社としても正式な処分を下すのは難しいようです。
2位:会社の金を横領
刑事事件にならなくても、会社の金を横領した場合はほぼ確実に懲戒解雇です。
仕事によっては1円でもダメ、という会社もあります。
横領以外でも、職務上の立場を利用した悪質行為は十分な懲戒解雇事由に該当します。
3位:重大な経歴詐称
学歴や社歴を偽ったり、持ってない資格を偽ったりしたケースでも、懲戒解雇の理由になります。
ただし犯罪行為に該当するわけではないので、どの程度の経歴詐称が懲戒解雇の理由になるかはケースバイケース。
仕事に問題がないとされれば、お咎めなしで終わるかもしれません。
4位:悪質なセクハラ、パワハラ
刑事事件に発展するレベルのセクハラやパワハラであれば、懲戒解雇の理由になり得ます。
具体的には、強制わいせつ罪やPTSDによる傷害罪などで被害届が出されるようなケースです。
ちょっとした嫌がらせレベルでは、解雇まで及ぶことはほぼありません。
ただ、セクハラ・パワハラは社会問題なので、懲戒解雇の事例が少しずつ増えています。
5位:長期にわたる無断欠勤
理由なく無断欠勤を続けた場合、懲戒解雇になり得ます。
病気や災害など、やむを得ない事情があれば懲戒対象にはならないので、万が一のときは必ず一報を入れなければなりません。
6位 業務命令違反
会社からの指示に従わなかった場合、「業務命令違反」として懲戒解雇になるケースがあります。
具体的には、以下のような場合が考えられます。
- 業務命令に背いて出勤しない
- 配置転換に従わない
- 休日出勤や時間外残業を拒否
- 嫌いな業務を行わない
ただし、会社の秩序を乱すような相当悪質なものでなければ、懲戒解雇とまではいかないケースがほとんどです。
7位 会社の機密漏洩
従業員でしか知りえない重大な機密情報を漏らした場合、立派な懲戒解雇の理由になり得ます。
場合によっては特別背任などの罪に問われるケースもあります。
最近ではSNSなどでの情報発信により、思わぬ形で情報漏洩してしまうケースもあるようです。
8位 会社の誹謗中傷
ネットの掲示板やSNSなどで会社の誹謗中傷を行っていた場合、懲戒解雇になるケースもあります。
著しく損害を与えるような書き込みをした場合、「威力業務妨害」などの罪に問われることもあり得るので要注意です。
9位 取引先との不倫
一般的に、社内不倫では懲戒解雇になることはほとんどありません。
ただし、会社の利益に直結するような取引先の相手であれば話は別。
企業秩序や信頼に傷をつけたと判断されれば、懲戒解雇になる可能性はあります。
なお、仮に社内や仕事と関係がない相手であっても、オフィス内で行為に及ぶようなケースは立派な解雇理由です。
10位 禁止された副業発覚
割と最近多いのが、社内規約で禁止された副業の発覚です。
いきなりレッドカードとはならないケースがほとんどですが、在籍している会社に損害を与えたり、顧客を奪ったりするような場合は懲戒解雇になり得ます。
懲戒解雇にならない理由
会社内でのトラブルはたくさんありますが、処分の中で最も重い懲戒解雇は、そう簡単に下せるものではありません。
以下のような理由だけでは、懲戒解雇にはならないケースがほとんどです。
☑懲戒解雇にはならないケース
- 上司の指示に背いた
- 遅刻や早退が多い
- 職場内での不倫
- 職場内での暴力行為
- 刑事事件で不起訴
- 兼業などの従業員規則違反
上司の指示に背いた
単純に上司の指示に従わなかっただけでは、懲戒解雇にはなりません。
結果として会社に大きな損害を与えれば何らかの処分は免れませんが、それも社内での立場やこれまでの実績で変わってきます。
逆に言えば、「俺の指示に従わなかったからお前はクビだ!」みたいな話は通用しないので、万が一そうなったら不当解雇でやり返せるはずです。
遅刻や早退ばかり
遅刻や早退の頻発程度ではクビになりません。
何度注意されても治らなければ、何らかの処分は下されるはずですが、懲戒解雇の理由になる「無断欠勤」とは雲泥の差。
もちろん、お客様対応が主の業務などでは、大きな悪影響を及ぼすので、担当から外される可能性が高いでしょう。
職場内での不倫
最近やたら世間の目が厳しい不倫ですが、さすがに懲戒解雇にまで至るケースはないようです。
とはいえ立場や発覚の経緯、逢瀬の回数(場所)によっては懲戒処分の対象にはなってきます。
職場内での暴力行為
許されることではないですが、ちょっとした暴力行為で懲戒解雇になることもあまりないようです。
「上司を殴ってクビになった」っていうのはドラマの話で、刑事事件に発展するようなレベルでなければ解雇までは至りません。
とはいえ悪質なパワハラが続けば、最悪クビになっても文句は言えないです。
刑事事件で不起訴
刑事事件で逮捕されても、不起訴になれば懲戒解雇にまでは至らないケースが多いようです。
とはいえ、「会社の名誉を著しく傷つけた」という理由で解雇になることは十分あり得ます。
懲戒解雇にはならずとも、自主退社に追い込まれることも少なくありません。
兼業などの従業員規則違反
程度にもよりますが、兼業などで「従業員規則」に違反したくらいでは、クビにはできません。
それでも何かしらの処分にはなる可能性があるので、面倒でも一度従業員規則には目を通しておいた方が良さそうです。
懲戒解雇になりそうな場合の対処法
万が一懲戒解雇になりそうだったら、黙って受け入れるのではなく、何らかのアクションを起こした方が良いです。
具体的には、
- 労働組合に相談
- 弁護士など専門家に相談
といった対処法くらいしか考えられないですが、話し合えるチャンスがあるなら、諦めるには早すぎます。
やっぱり懲戒解雇からの再就職はかなりハードルが高いですし、交渉する余地があるなら、諭旨解雇にしてもらった方がだいぶマシです。

筆者もダメ元で社内の労組に掛け合ってみました。結果としては会社の処分が覆ることはなかったですが、何もしないよりは後悔もなかったです。
懲戒解雇に関する相談事なら、労働問題に詳しいリバティ・ベル法律事務所の籾山善臣弁護士に相談するといいです。
筆者も直接お話させていただきましたが、とても物腰の柔らかい先生で、どんな些細なことでも親身になって相談に乗ってもらえます。
☑リバティ・ベル法律事務所が運営する「身近な法律情報誌 リーガレット」の不当解雇ページ
今後の一生を左右することなので、投げやりにならずに今一度考えてみてください。
まとめ:懲戒解雇になっても諦めなければ大丈夫!
一口に懲戒解雇と言っても様々な理由があって、最も重い処分なだけに、会社としても相当慎重になります。
なのでやってしまったことが懲戒解雇に該当するかどうかは、ケースバイケースです。

もし筆者が言えることがあるとするなら、万が一懲戒解雇されてしまったとしても、決して諦める必要はない、ということ。
褒められた話ではないですが、心を入れ替えて必死に就活を頑張れば、全然チャンスはあります。
筆者の再就職活動は、懲戒解雇経験者としてはかなり上手くいった方だと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。