- 前科や逮捕歴って就職でバレる?
- 隠して入社する方法はないだろうか?
こんなお悩みにお答えします。
大変お恥ずかしい話ですが、筆者には「逮捕歴」「前科」があります。それでも再就職活動では事実を正直に明かし、ホワイトベンチャーに正社員就職することができました。
現在では経歴に不安がある人向けのキャリア支援を行っています。
前科持ちの筆者が就職活動を始めたとき、最初に悩んだのが「前科のことを言うべきか、隠すべきか」ということでした。
「前科がある」と正直に伝えれば、ほぼ不採用になる。
かといって、事実を隠して入社後にバレたらどうしよう…。
まさにこんな状態でした。
言わなきゃバレないのであれば、わざわざ不利になるようなことは言わない方がいいのでは?と考えたこともあります。
しかし結論から言えば、前科や逮捕歴は就職でバレる可能性が十分あるため隠すことはおすすめしません。
もっと言うと、仮に前科がバレずに入社できたとしても、「いつかバレたらどうしよう」とおびえながら働くことになってしまいます。
就職することはゴールではなく、健全な状態で就職できて初めて「人生の再スタートが切れる」と言えるのではないでしょうか。
この記事では、前科や逮捕歴が就職でバレる可能性やバレやすいルートについて、詳しく解説しています。
今後の就職活動にきっと役立つ内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
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前科・逮捕歴は就職でバレる可能性あり!
前科や逮捕歴は就職でバレる可能性が高いです。
厳密に言うと就職で前科がバレるかどうかは「運」次第ですが、バレた時のリスクを考えると、隠し通そうとすることはおすすめできません。
仮にバレずに入社できたとしても、後で発覚した際に「経歴詐称」などが問題となって解雇事由になるリスクもあります。
また経歴詐称にならなかったとしても、会社側から自主退職を勧められ、結果的に辞めざるを得なくなったケースも少なくありません。
リスクを考えたら隠さない方が吉
もちろん前科を明かした上での就職活動は簡単ではありません。
前科を公開するのはかなり勇気がいりますし、何十社も落ちることになるかもしれません。
それでも前科がバレた後のリスクを考えたら、やはり隠さないほうが吉だと言えます。
仮にバレずに入社できても、「いつかバレたらどうしよう」とビクビクしながら生活するのは理想的とは言えませんよね。
定年を迎えるまで健全に働くためにも、「前科がバレるかどうか」を考えるより、「前科を明かして就職する道」を目指すことをおすすめしています。
就職の際に「前科」の告知義務はある?
そもそも就職の際に「前科」「逮捕歴」は言う必要があるのでしょうか?
一口に「前科・前歴」と言っても、状況によって告知義務の有無は変わります。
刑の言い渡し効力が失効していれば告知義務はなし
まず、「刑の言い渡しの効力」が失効していれば、「前科・前歴」についての告知義務はありません。
「犯罪者の更生にとって労働の機会の確保が何をおいてもの課題であるのは今更いうまでもないところであって、既に刑の消滅した前科について使用者があれこれ詮策し、これを理由に労働の場の提供を拒絶するような取扱いを一般に是認するとすれば、それは更生を目指す労働者にとって過酷な桎梏となり、結果において、刑の消滅制度の実効性を著しく減殺させ同制度の指向する政策目標に沿わない事態を招来させることも明らかである。したがって、このような刑の消滅制度の存在を前提に、同制度の趣旨を斟酌したうえで前科の秘匿に関する労使双方の利益の調節を図るとすれば、職種あるいは雇用契約の内容等に照らすと、既に刑の消滅した前科といえどもその存在が労働力の評価に重大な影響を及ぼさざるを得ないといった特段の事情のない限りは、労働者は使用者に対し既に刑の消滅をきたしている前科まで告知すべき信義則上の義務を負担するものではないと解するのが相当であり、使用者もこのような場合において、消滅した前科の不告知自体を理由に労働者を解雇することはできないというべきである」
(出典:労働民例集36巻4・5合併号573頁/時報1169号34頁/タイムズ569号51頁/労働判例459号40頁/労経速報1244号14頁)
「刑の言い渡しの効力の失効」というのはすなわり前科が消滅している状態のこと。
法律上の前科については、記載される期間が刑法および恩赦法によって定められています。
罰金・拘留・科料の場合、刑の執行終了または執行の免除を得て5年間、罰金以上の刑に処せられず経過すれば、刑法34条2項により言い渡しが効力を失い、前科はなくなります。
死刑・懲役・禁錮といった重い刑の場合は、倍の10年の期間となっています。
前科がなくなるとともに、犯罪人名簿からも前科の記載が削除されます。
また、恩赦や特赦の場合も、恩赦法3条および5条に基づき、刑の言い渡しの効力が失われ、犯罪人名簿からの削除が行われます。
引用:ヴィクトワール法律事務所
上記のとおり、一定期間が過ぎて前科が消滅すれば、就職時に告知の義務はありません。
「賞罰欄」のない履歴書なら前科の記載義務もなし
履歴書の「賞罰欄」がある場合は、前科や前歴について記載する必要があります。
逆に言えば「賞罰欄」がない履歴書を使えば、前科や前歴について告知する義務はありません。
面接で聞かれた場合は正直に答える必要あり
面接で前科の有無に関する質問を受けた場合は、正直に答えないと経歴詐称となってしまいます。
聞かれなければ答える義務はないけれど、聞かれたらウソはつけないと理解しておきましょう。
ただし企業としても、前科や犯罪歴といった機微な質問は避けなければなりません。
特に犯歴は、病歴や人種、信条、社会的身分などと並び「要配慮個人情報」に該当するため、みだりに質問することはできません。
参考:個人情報保護委員会
上記のことを踏まえると、一般的には就職活動で前科がバレることはあまり多くないと言えるかもしれません。
前科や逮捕歴が就職先にバレる3つのケース
では実際に前科が就職先にバレるのはどんなケースがあるのかというと、大きく分けて3つです。
- 履歴書などの書類で書かせる場合
- 報道やネットの情報を知られる場合
- 関係者から情報が回った場合
①履歴書などの書類
上述したように、履歴書に「賞罰」を書く欄が設けてあるなら、前科を書かないと「経歴詐称」に当たります。
この「賞罰欄」をきっかけに発覚してしまうケースがあります。
②報道やネットの情報
前科のことが実名報道されているなら、バレてしまう可能性が高いです。
特にネットニュースになっていると、ほぼ確実に発覚してしまいます。
最近はどの企業もコンプライアンスを重視する傾向にあるため、ネット検索はもちろん、SNSやブログまでチェックされます。
③関係者からのリーク
例えば前職の関係者や事件の被害者周辺といった関係先から話が回る可能性もあります。
筆者が受けた相談では、わざわざ新しい就職先にタレコミをされたというケースもありました。
前科を隠して就職する3つのデメリット
仮に前科を隠して就職した場合、主に以下の3つのデメリットが生じます。
- 前科がバレたら即解雇されるリスク
- 前科がバレて嫌がらせを受ける可能性
- 前科がバレないか怯えながら過ごす毎日
①前科がバレて解雇されるリスクがある
基本的に経歴詐称がバレたら即解雇の理由になります。
仮に経歴詐称にならずとも、会社側から自主退職を勧められれば、そのまま社に残ることは困難です。
実際に入社後に逮捕歴が発覚し、辞めさせられてしまったという方からの相談は何度もありました。
②前科がバレて嫌がらせを受ける可能性がある
仮に会社としては表立った処分を下さなかったとしても、同僚はどうでしょうか。
筆者も経験がありますが、理解してくれる人がいる反面、中には強い抵抗から受け入れられない人だっているでしょう。
大人だからイジメに遭うようなケースは稀かもしれませんが、冷たい対応をされたり、仕事上で悪影響が出たりする可能性は避けられません。
また、最初から打ち明けて入社するのと、隠して入社して後から発覚するのとでは、印象も180度違います。
社内全員の理解を得るのは無理でも、せめて上層部だけには納得してもらった上で雇ってもらうべきです。
③前科がバレないか怯えながら過ごす毎日になる
実際のところこれが一番デカいし、辛いです。
前科を隠して就職すること自体は、そこまで難しいことではありません。
でも、それでいいんでしょうか?
入社したら終わり、ではありません。
むしろスタートです。
人生はその先のほうが長いんです。
せっかく人生の再スタートを切って、心機一転頑張ろうとしているのに、いつまで経っても「前科がバレたらどうしよう」と不安なまま仕事するのって、めちゃくちゃキツいですよね。
筆者は入社時に前科を明かしているのですが、それでも全社員が知っているわけではないので、「あの人は知ってるかな」とか心配することは何度もありました。
前科を明かして就職する3つのメリット
ここからは、筆者の経験を踏まえ、「前科を明かして就職した方がいい」と言い切れる根拠について説明します。
実際に前科を明かして入社した筆者は、主に以下の3つのメリットを痛感しています。
- 会社としてフォローしてくれる
- 相談できる存在がある
- 真摯に仕事に向き合える
具体的に見ていきます。
①会社としてフォローしてくれる
前科を知った上で採用してくれる会社なら、必ず手厚いフォローをしてくれます。
そもそも会社としては、前科持ちを採用するのには大きなリスクがあるわけです。取引先や他の従業員に余計な不安を与えたり、最悪の場合、契約打ち切りや優秀な人材の離職を招いたりする可能性だってあります。
その大きなリスクを踏まえても採用してくれる会社なら、周りに悪影響が出ないように最大限の工夫をしてくれることが多いです。
筆者の場合は、会社の計らいで対外用のビジネスネームを用意してもらいました。
ほかにも、社内で余計な不安が広まらないように、上層部のメンバー間だけでの事実共有にとどめたり、人事の面でも考慮してもらったりしていました。
本当に感謝しかありません。
これはやっぱり、入社前から正直に打ち明けたからに違いありません。
②相談できる存在がある
前科の事実を知っている人が社内にいると、腹を割って相談することができます。
逆に言えば、「前科がバレたらどうしよう」と不安を抱えたままでいると、いつまで経っても相談相手を作れません。
会社員として生きていくなら、相談相手はめちゃくちゃ重要な存在。入社後のことを考えたら、やっぱり本音で語れる相手は作っておいたほうがいいです。
③真摯に仕事に向き合える
やっぱり嘘偽りなく働いている方が、真摯に仕事に向き合えます。
「バレたらどうしよう」とビクビクしていたら、それだけで余計なことを考えちゃいますし、成果にも繋がりにくくなってしまいます。
「新しい人生」と割り切って働いた方が、自分のためにも会社のためにもなります。
まとめ:前科は隠さずに明かして就職を目指そう!
というわけで、筆者は前科を打ち明けた上で再就職する道を選びました。
もちろん就職のハードルは高くなりますが、入社後のフォローや生活を考えたら、就活で頑張って健全に働く道を目指した方がいいと思います。
これから就職活動を始める、もしくは就活中の方は、ぜひ一度「前科を打ち明けた上で面接で勝負する」という方法も試してみてください。
簡単ではないですが、きっと新しい道がひらけますよ。
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