
「うつ病で休職してそのまま退職するのはずるい!」
時々、こんな主張を見かけます。
休職中に給料や手当をもらっていたのに、結局そのまま復職せずに退職するのはさすがにずるい…
これが「うつ病による休職や退職はずるい」と考える人の意見です。

当サイトの管理人です。30歳過ぎて無職だった過去から這い上がった経験があり、Twitter(@kirio_desu)を中心にキャリア相談を受ける活動もしています。
筆者の元にも同じような相談はいくつか来ていますが、結論から言って
うつ病での休職や退職はずるくありません!
- うつ病での休職・退職は国も支援する正当な手段
- うつ病の原因が会社にあるケースはむしろ有利
- 休職から復職せずに退職しても問題なし
記事内で詳しく解説しますが、「ずるい」という声が耳に入っても気にする必要はありません。
ただしうつ病による退職にはいくつかのデメリットも存在します。
実例を元にわかりやすく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。


うつ病で休職や退職するのはずるい?
実際、うつ病で休職したり退職したりする人を「ずるい」と言う人がいます。
以下、ネット口コミ最大手のYahoo!知恵袋での投稿です。
知恵袋での意見
うつ病はずるい!!会社の同僚(30代女性)がうつ病で休職して一年です。傷病手当をもらっています。 お金がなくて生活が苦しいと言いいながら、スマホに替えて一日中フェイスブックをしたり、寿司の出前を取ったりして
いるみたいです。
今後、障害年金ももらえるのでしょうか??もらえるとしたらいくら位ですか??
働かないでお金が貰えてずるいですよね??引用:Yahoo!知恵袋

本気で悩んでるのに、こんなこと言う人がいるなんて…
しかし、これはあくまで一部の人の意見に過ぎません。
実際、この投稿には以下のようなコメントがつけられていました。
鬱は苦しいですよ。寿司の出前も他の人(家族とか)が元気を出すようにとったのかもしれません。
元気そうに見えて、躁鬱の、躁の時だったりします。
病気の方を妬むより、誰かと比べるより、自分がしっかりしていたらいいと思います。引用:Yahoo!知恵袋
働かないでお金をもらっているのではなくて、働けないからお金をもらっているんですよ。そういう人のための手当だと思います。
きっと、ずるいなと思ってしまうのは、うつ病が目に見えない病気だからです。
例えば、足を骨折して休職している人に”働いていないのにお金をもらうのはおかしいじゃないか”とか、”無理してでも働け”なんて言う人はいませんよね。
気持ちの病を患っている人に、”無理をしてでも働け”というのは、足を骨折している人に”グラウンドを走ってこい”というようなものなのだと思うのです。人によって、何が辛いことなのか、何が苦しいことなのかは違うことです。それは得意不得意が人それぞれあったり、自分にとっての安らぎが人それぞれなのと同じようなものです。
その同僚の方にとっては、少ないお金の中で、フェイスブックをしたり、お寿司を食べることが安らぎなのではないでしょうか。気分をリフレッシュしてその人なりに頑張っていることもあるのではないでしょうか。人のことを気にしてしまうのはとてもわかります。質問者様が一生懸命働いているからこそ、ずるいなと思ってしまうこともあるんだと思います。
でも健常者とうつ病患者は紙一重です。
うつ病は、苦しいことが質問者様の思っている以上にたくさんあります。
うつ病にならないためには、必要以上に人のことに干渉しないことが一番だと思います。引用:Yahoo!知恵袋
うつ病で休職や退職してもずるくない!
上記のように、うつ病の特性を理解している人が大多数です。
ほとんどの人はうつ病を理由に休職、退職してもスムーズに受け入れてくれます。
なので「ずるい」というような意見は気にせず、正当な手続きを踏んで堂々と次のステップに進んでいい、というのが結論になります。
うつ病での休職や退職がずるいと言われる理由
うつ病での休職や退職がずるいと言われてしまう主な理由は、以下の2点です。
- 休職期間に手当がもらえるから
- 一部の人は仮病を使うから
休職期間の手当がもらえるから
勤務先によってルール・制度が異なるのは大前提ですが、基本的にはうつ病による休職であっても、期間中に傷病手当がもらえます。
したがって、何も仕事をしていないのにお金がもらえるのはずるい!
と言う人が一定数いるんです。
一部には仮病を使う人も
また「うつ病」と偽って休職する人も一定数いるようです。
実際には病院での診断が必要なので、正規の休職が認められるケースは少ないですが、いわゆるズル休みの理由に悪用する人が一定数います。

ただし繰り返しになりますが、うつ病での休職や退職は決してずるくありません。正規の手続きを踏んでいれば、堂々と手当を受け取ったり転職したりして何ら問題ありません。
うつ病での休職や退職が問題ない理由
一部の人から「ずるい」と言われてしまううつ病での休職、退職ですが、全く問題ありません。
ずるいと言うのは一部の同僚目線
「うつ病での休職・退職」がずるいというのはあくまで一部の同僚の意見です。
上述したように、ほとんどの人は理解があり、受け入れてくれるので気にする必要はありません。
制度上まったく問題なし
そもそもうつ病が原因で休職したり退職したりするのは、制度上まったく問題ありません。
厚生労働省は心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引きを各事業所に配布し、うつ病による休職や退職がスムーズに行われるよう、指導しています。
うつ病での休職や退職は珍しくない
厚生労働省の調査によると、うつ病(メンタルヘルス)が原因で1ヶ月以上の求職者が出た事業所は6.7%、退職者が出た事業所は5.8%に上ります。
決して珍しいわけではないですし、国としてもメンタルヘルス対策を進めていることからも、無理することなく休職・退職の選択をしたほうがいい、ということがわかります。
うつ病退職のデメリット
ただし、うつ病での退職にはデメリットも存在します。
具体的には
- 転職が不利になる
- 失業手当が減る可能性がある
の2点です。
転職が不利になる可能性がある
うつ病が原因で退職した場合、企業によっては低評価の材料としてしまうケースがあります。
これは企業ごとによって違うのでどうすることもできません。
後述するように会社が原因でうつ病になったと認定されれば不利にならないようにアピールすることは可能なので、退職する際の「理由」は慎重に考えたほうがいいです。
利用不可の転職エージェントも
転職する際に転職エージェントを利用する人も多いと思いますが、うつ病などを抱えていると利用できないケースがあります。

特に大手のキャリアアップを前提とした転職エージェントだと、ワケアリと判断されて利用を断られる場合があります。
もし転職エージェントを利用する際は、ニートや無職の人でも利用できる転職エージェントを選ぶようにしてください。
以下の記事に掲載している転職エージェントならどんな経歴の人でも転職相談に乗ってもらえるのでおすすめです。
失業手当が減る可能性がある
退職する際の理由が「自己都合退職」となってしまうと、失業手当を受け取る期間が短くなってしまいます。
これはシンプルに損なので、退職する際は会社側に掛け合って「会社都合退職」とできないか調整してみてください。
うつ病で退職した人の末路
うつ病退職を経験した人でも、いろんな方がいます。
長く苦しんだ方もいれば、退職を機に人生を好転させた方もいます。

ここではうつ病退職の経験を発信しているTwitterアカウントをまとめているので、似たような境遇の方がいないかチェックしてみてください。
結局、何かしらの仕事をした方が精神的に楽だよ。
一度うつ病やパニック障害等になって、休職や退職する事になると、社会復帰するのが怖くなるよね。
だけど、療養すべき期間が終わって、何もしていないと、これもまた将来の不安とか、いろいろネガティブな事考えちゃって苦しくなるんだよね。
— けんぷ@うつ病・パニック障害完治:フォロー大歓迎 (@kenpu_blog) December 25, 2022
うつ病はお金の問題ともいえる
毎月かかる病院代
休養中の生活費
お金の不安があるから、多少体調が悪くても働くしかない
お金があれば心置きなく休養できるし、嫌な職場から退職することもできる
お金が全てとは言わないけど、お金で大半の問題は解決できる— くまみ (@kumaminokimochi) November 12, 2022
今日で前職を退職してから、一年が経過してしまいました💦
昨年後半から体調がだいぶ回復し、就労移行支援通所ができるようになったので、年度末までには就職できるよう、焦らず前進していきます❗#うつ病#退職後一年経過
— ジュン (@jun08120601) January 9, 2023
お休み中ですが『Twitterはじめて2周年』2年前。9月末にうつ病と診断を受けやむなく退職。働けないのならと闇雲に始めた物販。「Twitterに共有」のボタンを見つけて即座にTwitterに登録。どんなに堕ちても這い上がる。そこにはいつも“優しくあたたかい人たち”がいた。今も皆んなに支えられています pic.twitter.com/A9EtlOctbW
— ゆく*着物乙女コンテスト開催中! (@yuku_coach) October 25, 2022
「躁うつ病をどうやって克服しましたか」とよく聞かれますが、私がしたことは「メンタルクリニック受診」「会社を退職」「傷病手当金をもらいながら治療(薬物療法)」「好きなことをする」「好きな人といる」「おいしいものを食べる」「ゆっくり休む」。自分にとことん優しくしてあげました。
— まと|マインドセット (@ateliermatosan) October 5, 2022
躁うつ病と強迫性障害で平成31年(令和元年)に退職し、現在は一般企業で会社員をしています。
案外辞めて環境変えるとコロッと良くなっている場合もありますよ。
気長にいきましょう👍️— へっぽこ侍 (@0903Nabe) January 9, 2023
休職か退職かどっちか迷ったら
うつ病と診断されたり、その疑いがあって仕事の継続が難しくなった場合、選択肢としては「休職」と「退職」の2パターンがあります。
もちろん良し悪しはケースバイケースですが、どちらを選ぶほうが賢明でしょうか?
基本的にはまずは休職
仕事辞めたら人生楽しすぎなどと言う人もいますが、基本的にはまず休職できるかどうかを職場に確認しましょう。
無職でもなんとかなる?無理だと悟った30代の人生逆転劇でもある通り、一時的でも無職になるのはかなりデメリットが多いです。
休むことでうつ病が回復するケースもありますし、傷病手当がもらえる場合も多いです。中には休職期間中にも給料が発生する会社もあります。

いずれも所属先の制度によって変わるので、人事に相談してみてください。
キャリア相談を受けるのもアリ
- 今の仕事を続けるべきか、辞めるべきか?
- 休職するべきか、そのまま退職するべきか?
- 職場復帰したほうがいいか、しないほうがいいか?
このような悩みがある人は、第三者に仕事上の悩み相談ができるキャリア相談・カウンセリングを受けてみるといいです。


中でも業界最大手のポジウィルキャリアでは、うつ病などの事情を抱えながら社会復帰を目指す人のサポートにかなり力を入れています。
オンラインで相談できる無料カウンセリングがすごく有益で「予約が取れたらラッキー」と言われるほど人気なので、今のキャリアに悩んでいる方はぜひここで相談してみてください。
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うつ病で休職して復職せずに退職する場合の注意点
もしもうつ病で休職し、復職せずにそのまま退職する場合は、以下の点に注意しましょう。
うつ病になった原因をはっきりさせよう
うつ病となった原因を明確にする必要があります。
仕事や上司が原因でうつ病になったのかそうでないのかによって、退職時の扱いが変わってきます。
プライベートとの線引きが難しかったりしますが曖昧にせず、主張するところははっきりと主張しましょう。
会社都合の退職としてもらおう
うつ病で退職する際は、何もしなければ基本的に「自己都合退職」となってしまいます。
そうすると失業手当が受け取れるまでの期間が遅くなり、受け取れる金額も下がってしまいます。
転職時にも不利です。
うつ病の原因が会社側にある場合は必ず退職理由も「会社都合」としてもらうように働きかけましょう。
まとめ:うつ病で休職や退職してもOK!
最後に本記事の内容をまとめます。
☑まとめ
- うつ病で休職・退職するのはずるくない!全く問題なし!
- うつ病の原因が会社にあるかはっきりさせよう
- 退職理由はなるべく「会社都合」としてもらおう
- 休職か退職か悩んだらキャリア相談を利用してみるのがおすすめ!
うつ病で休職・退職するのは全く問題ありません。
自分を責める必要なんてないし、国の制度上でも認められた正しい手段です。
もしも今後のことで悩んでいるなら、第三者に相談できるキャリア相談も活用しながら、自分にとってベストな選択ができるといいですね。

