「ハローワークにはろくな求人がない」と言われることがあります。
「ハローワークの求人票と実態が違う」といった申し出は、令和4年度で3,890件にも上るほど。
(参考:厚生労働省「ハローワークの求人票と実際が異なる旨の申出等」
もちろん人によって受け止め方は様々ですが、ハローワークで好条件の優良企業を求めようとすると、期待通りにはならない可能性があるのは事実です。
現役キャリアカウンセラーの管理人です。当サイトでは、経歴に自身がない人向けのキャリア情報を発信しています。
この記事では、ハローワークにろくなの求人がないと言われる理由について、根拠を持ってわかりやすく解説しています。
ポイントを整理して説明すると、以下のとおりです。
☑ハローワークにろくな求人がない理由
- ハローワークの求人には無料で掲載できるから(求人の質低下)
- ハローワークの求人は零細企業がほとんどだから(求人低下)
- ハローワークの目的は就職率を高めることだから(求人の質より量)
- ハローワークの担当者は単なる公務員で採用現場の実情を知らないから(アドバイザーの質が低い)
ハローワークは地元の零細企業を始め、どんな会社でも無料で求人情報を出すことができます。
したがって経営状況が悪い会社の求人も一定数あり、中にはいわゆる「ブラック企業」が紛れている可能性も否定できません。
またハローワークの職員はいわゆる「公務員」で、資格を持ったプロのキャリアアドバイザーではありません。
リアルな採用現場の実態を把握しているわけでもないため、ハローワークの職員は態度が悪いなどと言われてしまうこともあります。
ハローワークで仕事を探すのが決して悪いわけではありませんが、大きな期待をするとそぐわない可能性があります。ハローワークはあくまで雇用保険や失業保険などの手続きをするところ、と捉えておくといいでしょう。
この記事では、ハローワークより質のいい求人と出会える方法も紹介しています。
就職活動にきっと役立つので、ぜひ最後まで読んでみてください。
もちろん完全無料です。年齢別に人気サービスは以下の記事でまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
ハローワークにろくな求人がない4つの理由
ハローワークにろくな求人がないと言われる主な理由は、以下のとおりです。
- どんな企業でも無料で求人掲載できるから
- ハローワークの求人は零細企業がほとんどだから
- 職員が人材業界のプロではないから
- ハローワークの目的は失業率を下げることだから
「ろくな求人がない」と言うと少々言い過ぎな部分もありますが、少なくともホワイト企業で平均年収並みの待遇は難しいと思った方がいいかもしれません。
以下、それぞれ詳しく解説していきます。
理由①どんな企業でも無料で求人掲載できるから
一番の理由は、ハローワークはどんな企業でも無料で利用できるから。
ハローワークインターネットサービスにあるとおり、企業は無料で求人掲載をお願いすることができます。
企業としては、採用費を抑えることができる大きなメリットがありますが、逆に言うと採用費にお金をかけられないような経営状況が悪い企業も多く存在するということです。
逆に民間の求人サイト(リクナビ、マイナビなど)や転職エージェント経由の場合、企業がサイト(エージェント)側に採用費を支払う必要があります。
これは企業にとっては採用費の負担がかかる反面、利用者にとっては採用費をかけられる余裕のある企業が厳選されているという意味で安心材料になります。
当然、採用費にお金をかける企業のほうが経営状態も良く、本気で採用しようとしているのがわかりますよね。そのあたりが「求人の質の差」となっているのは明らかです。
ハローワークと民間の職業紹介との違いについては、厚生労働省の資料でも詳しく紹介されています。
理由②ハローワークの求人は零細企業がほとんどだから
ハローワークに掲載されている企業は、いわゆる零細企業がほとんどです。
厚生労働省の資料によると、ハローワークの求人のうち、約96%が従業員299人以下の中小企業となっています。
もちろん中小企業でも優良企業はたくさんありますが、福利厚生の整った大企業と比較すると足りない点が多くあるのも事実です。そのあたりがハローワークにろくな求人がないと言われる原因と言えるかもしれません。
理由③職員が人材業界のプロではないから
ハローワークにろくな求人がないと言われる三つ目の理由は、ハローワークの職員の質があまり高くないからです。
ハローワークの窓口で対応してくれる担当者は、実は単なる公務員。いわゆる「人事異動」でハローワークを管轄している「労働局」の担当となっていることが多く、中には臨時職員として働くパートの方も多くいらっしゃいます。
ハローワークの正職員になるには、国家公務員2種か3種の試験を受けて合格し、労働局に配属される必要があります。ただし、労働局ではハローワークと労働基準監督署を管轄しているため、必ずしもハローワークに配属されるとは限りません。また、ハローワークに配属された場合は、すべての各課・部門に配属される可能性があります。臨時職員の場合は、ハローワークなどで求人が出されるので、求人が出たら民間求人と同様に履歴書などを送付して応募します。臨時職員は、業務が専門的な分野になる場合もあるので、その際には専門的な分野の経験者が募集されます。臨時職員の雇用形態は「任期付任用職員」または事務などのパートとなります。
引用:ホームメイト・リサーチ
もちろん適性や能力を加味した上での配置となっているはずですが、公務員であるハローワークの職員は、民間の企業で働いた経験がある人は決して多くありません。
つまり採用現場に詳しくないどころか、アドバイザーである本人が民間の就職活動を成功させた経験がないというのは、求職者からすれば大きな不安材料であると言えます。
アドバイスや求人紹介の仕方が的確でなく、ハローワークの職員はむかつくという声があちこちから出るのも仕方がないと言えるかもしれません。
理由④ハローワークの目的は失業率を下げることだから
ハローワークにろくな求人がない四つ目の理由は、ハローワークの目的が失業率を下げることだからです。
失業率は、国の経済状態を表す重要な指標です。当然、低ければ低いほど良いとされるので、どんな国でも失業率を下げることを目指しています。
失業率は、「働きたいけれど職に就けていない人」と「求人数」の割合で決まります。つまり就職しやすい求人をそろえれば、自然と失業率を下げることができると言えるわけです。
ハローワークでは、とにかく人手が必要な求人が多く集まります。
そのため、自然と求人の質が落ちてしまう傾向にあるといういえるでしょう。
ハローワークで就職活動をして後悔した体験談
ここまでハローワークにろくな求人がない理由をお伝えしてきましたが、筆者自身がハローワークの担当の方に「ここにはろくな求人はありません」と暴露された経験があります。
ここでは実際に筆者がハローワークを利用して後悔した体験談をお伝えします。
ハローワークの職員に「ハローワークはおすすめしない」と言われた
当時、筆者はワケあって30歳を過ぎて無職の状態。
再就職活動の中で、ハローワークにも通いました。
失業手当の手続きをするのが主目的でしたが、普通の就活がなかなかうまくいかなかったので、ハローワークにも相談してみたんです。
その結果、担当だった女性職員の方に、「あなたはハローワーク経由ではなく、自力で再就職をすることをおすすめします」と言われてしまいました。
担当者が「ハローワークはやめたほうがいい」と断言したワケ
ハローワークで求人紹介を断られた理由は単純で、「あなたの希望に合った仕事はない」ということでした。
どういうことかというと、筆者は無職になるまで、いわゆる大企業でホワイトカラーの仕事をしていました。再就職先としても、可能な限り前職とギャップがない、ホワイトカラーの仕事を希望していました。
しかし、ハローワークの担当の方いわく、「ハローワークで紹介できるのはブルーカラーの仕事ばかり」とのことでした。
ホワイトカラーでの仕事しか経験がない筆者の場合、「今までとはギャップがありすぎる」ということで、「ハローワークを使うよりも、自力で就活を頑張った方がいい」と言われたんです。
担当の方の言い方はとても親切で、かなり親身になって話を聞いてくださりました。
決して不快な思いをしたわけではないですが、やはりホワイトカラーの仕事を目指すならハローワークはそぐわないと実感することになりました。
ハローワークより質の良い求人を見つける方法
ここからは、ハローワークを使わずにホワイト企業に就職(再就職)できる方法についてお伝えしていきます。
それは、民間の就職支援サービス(転職エージェント)を活用することです。
民間の就活支援サービス(転職エージェント)を使おう!
民間の就職支援サービス(転職エージェント)を使えば、希望とマッチした求人を無料で紹介してもらうことができます。
さらに履歴書・職務経歴書の添削や面接アドバイスをしてもらえるほか、企業側へプッシュしてくれたり、面談日程を調整してくれたりすることもあります。
☑民間の就職支援サービス(転職エージェント)でできること
- 希望する求人の紹介
- 面接対策のアドバイス
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 企業への推薦
- 年収UPなどの条件交渉
- 面接日程の調整
- 内定辞退の調整
年収UP交渉など、一人で就活すると難しいことも対応してくれるのが転職エージェントです。色々な情報も教えてもらえて、すごく便利ですよ。
まとめ:ハローワークは利用目的に合わせて活用しよう!
最後に本記事の内容をまとめます。
☑まとめ
- ハローワークで優良求人を見つけるのは正直難しい
- ハローワークの求人はブルーカラーの仕事(現場作業)が中心
- 優良企業への就職を求めるなら就職エージェントを活用しよう
「平均年収以上」「ホワイトカラーの仕事」などを求めるのであれば、ハローワーク経由では正直難しいです。
民間の就職エージェントも活用しながら、理想の仕事を探してみてくださいね。
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